20 年くらい前の話ですが、当時賃貸で引っ越しを考えていて小竹向原の小さな不動産屋さんで物件を見せていただいて時、年配のご婦人が入ってきました。
小さい不動産屋さんでスタッフさんも少なく私のすぐ隣でマンションの相談を始められたのですよ。
そのご婦人の途方に暮れた様子が気にはなったものの、なるべく聞かないようにしていたのですが、そのご婦人は当時60歳で息子さん夫婦と小竹向原の一軒家(持ち家)に同居。
当初から同居の予定でそのご婦人も資金援助して建てた一戸建て。
ご婦人の旦那さんは少し前に亡くなっていて彼女は未亡人。
息子夫婦&孫との同居生活だったのですが、どうも嫁と折り合いが悪い。
で、もう一緒に生活はムリ!と言うところまで来てしまいこの未亡人は家を出て一人マンションを買いたいのだそう。
で、予算は1000万円。
場所は息子夫婦が住む小竹向原。
1000万円で小竹向原・・・
うーん、築年数や設備に文句言わなきゃたま~に出そうな物件ではある。
実際、私の友人は2007年頃に800万円で小竹向原に当時築30年の中古を買って2016年にそこを1000万円で売ってるし。
この友人、クミちゃんの話はこのブログで何度も書いてますのでご興味のある方はこのあたりの話を読んでやってください。
ただ、小竹向原で1000万円以内ってのはそうそうあるわけではなく、嫁と折り合いが悪くもう一触即発で一刻も早く見つけたいってなるとなぁ。
で、不動産屋さんのほうも、
小竹向原で一千万円以内はちょっと・・・もう少し下って埼玉方面はいかがですか?
(はい、予算が足りない時の埼玉頼み・・・もはや物件探しの王道と言える)
と言うのですが、未亡人は息子と孫の近くにはいたいので小竹向原で何とか探したいと言う。
じゃ、とりあえず1000万円はあるのだから、それを自己資金で少し住宅ローンを利用すれば?
と思うじゃないですか。
でも、無情にも(なのか当然なのか)、それまで専業主婦で現在無職の60歳女性(とりあえずシングル)に住宅ローンが組めるはずもなく。
住宅ローンはおりないし、小竹向原で1000万円の物件も無いし・・・
意気消沈した未亡人はさらに途方に暮れこんな感じ↓。
不動産屋さんも気の毒に思ったのか、
「息子さんとご相談されてはどうですか?」
と物件相談より家庭相談みたいな話になってるし。
結局、物件はないままにその未亡人は不動産屋さんを出ていかれたのですが、その後、担当した不動産屋さんが、
「手数料もすべて込みで1000万円以内で小竹向原ってちょっとムリだよな。
仕事もしてないし住宅ローンなんて降りるわけないし、嫁と折り合いをつけるしかないじゃん」
と言っていた。
私は嫁になったこともないし、姑の立場もわかんないけど、
女三界に家なし
と言う言葉が浮かんでしまった。
当時はまだ若かったので60歳の自分なんて想像できなかったけど、今、確実に60歳と言う年齢が何年か後には来る!!きっと来る~♪!!
と思うとあの未亡人の途方に暮れた様子が切ない。
当時は嫁の方に近い年齢だったけど、今はこの未亡人の方に近い年齢。
今、もしこういうのに遭遇したら余計なお世話だけど、
「その一軒家から息子一家を追い出してアナタが住めば良いじゃん!
息子は働いてんだから賃貸アリだろうし、ナニもアナタが出てくこたぁないわな」
と言っちゃいそう。
この件は当時賃貸派だった私が自分の『終の棲家』、というものを意識するきっかけだったと思います。
この記事を書いた人
都内賃貸から隣接する埼玉4区に分譲を買い引っ越したものの、ビックリするくらいこの街が馴染めず、現在絶賛外出恐怖症。埼玉4区適応障害の東京ホームシック。ガチで東京リターンを模索中・・・しかし、首都圏相変わらずの物件価格高。年齢的に賃貸は無理ぽ。住宅ローンに最も嫌われるフリーランスのお一人さまは今後どうする?