遠~い知り合いが30年くらい前にオーディションに合格し大手レコード会社からメジャーデビューしたことがありました。
まぁ、数枚のシングルとアルバムを3枚ほどリリースして結局鳴かず飛ばずで表舞台からは消えたわけですが。
当時売れっ子のプロデューサーや誰もが知ってるアーティストからの楽曲提供だったにもかかわらず、意外なほど売れなかった。
彼女は誰もが振り返るようなビジュアルの持ち主で音楽的な素養もちゃんとあったにもかかわらず。。。売れなかった。
もう、とっくに音楽の道は諦めたんだろうな、と思ってたら地方で地道にボイストレーナーなどをして後進の指導にあたりながら音楽活動を続けていたのを10年くらい前にあるテレビ番組で知った。
で、以前から彼女に興味を持っていたワタシはさっそくの彼女のブログやSNSを拝見すると、音楽への想いは冷めることなく昔のままに熱く純粋だった。
正直、彼女のデビューについては
「どーせ、ちょっとばかりキレイだからってんで周りがお膳立てしてデビューさせたんでしょ」
と相も変わらずひねくれた見方をしていた。
しかし、彼女の音楽に対する想いは本物だったようで、表舞台からは消えても、色々方向を模索しながら止むことなく音楽活動を続けボイストレーナーとしても実績をつけていた。
そんな彼女のブログから色々刺激は受けたんだけど、気になったのは二言目には、
やっぱり東京でないと
と言い出すこと。
当時、彼女が活動していたのは地方都市でもチェッカーズやチャゲアス、その他大勢を輩出した音楽が盛んな街、場所柄K-popも盛んなようで、当時ワタシは
「別に東京でなくても良いじゃん」
と、彼女の東京に対するこだわりが全く理解できず、こりゃ、多分東京の華やかさだけに憧れる田舎モン特有の見栄じゃねーかとさえ思った。
彼女の場合、一般人よりはるかに華やかな経験もして、行く店も住む場所も中目黒だの三茶だの表参道だの・・・いわゆるそういう場所ですよ。
だから、多分、そういうのが単に恋しいだけなんだろうな、と思っていた。
しかし、今から数年前、彼女は意を決して上京する。
ワタシと同世代なのでその時点で50代半ば、人生すでに後半戦。
奇しくも、ワタシが練馬区からこの埼玉4区に移ってきたのと同じ時期。
順調だった仕事も辞め、再度東京で新生活を切った彼女はかつて住んだコ洒落たあのあたりに1Kを借り、かつて夢を追いかけてた時のように都心のスタジオやライブハウス、ボーカルスクールなどで活動しながら音楽活動を続けている。
その毎日はメチャ楽しそう・・・
時おりアップされる彼女の室内写真は地方都市のハイグレードなマンションと違いこじんまりしたものだがその頃の周囲の音楽仲間のモチベの低さや閉鎖的な人間関係にイラついていたのが嘘のよう。
今後、彼女自身がもう一度表舞台に・・・というのはちょっと苦しいし、収入面の不安もあるだろうけど、好きな音楽をプロフェッショナルな仲間とやっていられることに心底喜びを感じている様子。
以前は彼女の言う、
やっぱり東京でないと・・・
の意味が全然わかんなかったけど、今はスッゲーよくわかるんだよねぇ。
上手く説明できないんだけど、なんか、ワタシも以前はもっと色んな仕事のアイディアや好奇心が旺盛だった。
この地に住むようになってから妙に色んな事に対するモチベが下がってしまい、当初はマンション購入で神経使ったから一時的な燃え尽き症候群だと思ったんだよね。
そのことは当時、ブログにも書きました↓。
で、その時はモチベが上がらないというより終の棲家を問題無く得たことでリラックスモード、みたいな書き方をしてるだけど、よく考えたら単に人生がつまらなくなり面倒くさくなっただけじゃないか?と思えて来た。
練馬区民だった頃のほうが将来の不安はあったけど、色々刺激もやる気もあって楽しかった。
なんか、今のままだとボケ老人まっしぐら・・・って気がするんだよねぇ。
どこに住むかってなんか、ひょっとしたら人生とか寿命とかにも大きく左右するのかもしれない。
この記事を書いた人
都内賃貸から隣接する埼玉4区に分譲を買い引っ越したものの、ビックリするくらいこの街が馴染めず、現在絶賛外出恐怖症。埼玉4区適応障害の東京ホームシック。ガチで東京リターンを模索中・・・しかし、首都圏相変わらずの物件価格高。年齢的に賃貸は無理ぽ。住宅ローンに最も嫌われるフリーランスのお一人さまは今後どうする?